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simon問わず語り
『ノクターン』
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作成日時 : 2008/12/31 00:29
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2008年が終わろうとしている。まさか、このような年になろうとは思ってもいなかった。この年の調べは、私にとってはショパンの『ノクターン第20番嬰ハ短調』、遺作である。
早春の頃、かけがえのない友の奥様から電話がかかってきた。一時的に私の家の近所にいるからと。早速、私は友の部屋に行き、二人の出逢いからこれまでの想い出を語り合った。ほとんどが私が喋り、彼は静かに聴いていた。帰宅の途上にあったこともあり、図々しく何度も訪ねた。話すことは私の愚痴であったり、今の社会の現状であったり、いつも彼は静かに聴いてくれた。
彼に私の好きな音楽を聴いて貰おうと、CD10数枚を持って行った。
私なりに熟慮してセレクトした曲を。
なかに、フー・ツォンの『ノクターン』も入れた。
奥様が既に帰宅したあの夜、CDデッキの調子が悪かったこともあり、
3度繰り返し『ノクターン第20番嬰ハ短調』を彼と二人で聴いた。
「この曲がノクターンの中で俺は一番好きでね。ショパンの遺作なんだ」
そんなことを言いながら。でもとても、静かに。
静謐な時空の中で。
その翌朝、奥様が病室に行く前に彼は逝った。
まだ桜が咲かぬうちに。
秋、倉本聰氏脚本の『風のガーデン』が放映された。
緒形拳さんの遺作となった富良野を舞台としたドラマ。
平原綾香さんの歌う『ノクターン』にも魅了された。
彼女が作詞した『ノクターン』の日本語バージョン
『カンパニュラの恋』も素晴らしい。
夏に別れが唐突に訪れた。それは、とてつもない慟哭だった。
私は、『風のガーデン』を見、『ノクターン』を聴くことで
少しずつ「回復」していった。
2008年の大晦日に平原綾香さんのCD
『PATH of INDEPENDENCE』聴き詞を読みながら、想う。
深く想う。あなたに、このCDを聴いて詞を読んで欲しい、と。
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